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-chapter2-1.-

「2019年少女の素性:U’s eye」

全くもってだが、

ここまで言語の違う人間と

意思の疎通がとれるということが、

こんなにも愉快なものなのか。

 

驚くほどに少女はみるみる

私の言葉を吸い込んだし、

彼女の言葉も私にグングンと

染み渡ったのだ。

 

この身振り手振りと、

ただ一心に相手を知ろうとする熱意が

会話の極意であるとでも言うのか。

 

いやきっとそうではなく、

少女の並外れた言語能力のお陰であることは

間違いがなさそうだ。

 

実際小一時間の立ち話の中で

彼女はもう幾つかの日本語を

完璧に使いこなしていたし、

話すにおいても、

その無垢な魂が

直接脳に語りかけてくる感覚、

それによって彼女が言わんとしていることが

すぐに分かってしまうのだ。

 

無論、

これらの立ち話は

彼女の生命活動の残骸のある場所からは、

とっととおさらばしてから、

というのは言うまでもないが。。。

 

立ち去る際、

彼女が糞尿の側にいる事を

全く気にかけていない様子であったのには、

僅かながら彼女の育った

環境や文化水準が思い測られた。

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